普通の生活ができる幸せ 坂下かすみ 
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2003 年 12 月 1 日    
普通の生活ができる幸せ
〜イラクで日本人の外交官が殺害された事件を聞いて〜
 季節はずれの台風が来て、寒さはそれほど厳しくありませんが、昨日、私たちの生活に不安の影を落とす悲惨な事件が起きました。まだ、今のところ詳細は明らかになっていませんが、イラクで、日本人の外交官2名が何者かに襲われ、死亡した事件です。

 自衛隊を派遣する、しない、またその時期について議論が必要である時にこのような事件があるということは、遠くで平和に暮らしている日本人に、しっかりと考えなさいと何かに示されているように思います。
 派遣賛成派は、テロに屈しない・安全保障の国益を考え、先進国と足並みをそろえ貢献する必要・復興支援のために自衛隊が必要など
 派遣反対派は、日本人の安全が守れるのか・日本の憲法で可能な人道支援を行うべき・戦争に荷担する活動は自衛隊にはできないなど
 それぞれ意見がありますが、「平和な社会の実現」ということでは一致点を見つけたいものです。

 何でもない普通の生活ができる幸せも、実は、大きな犠牲や知らない(知らされない)活動によって保たれていることを、私たちは知らなければなりません。子育てに悩んだり、人間関係がうまくいかなかったりしても、美味しいものを食べたり、仕事がうまくいって家族や仲間と喜び合うことはあの亡くなった2人の外交官はもうできないのです。

 戦争は大規模な人権侵害です。国、宗教、民族、文化、言葉の違いを認め合って対等な関係がもてないと心安らかで平和な社会はできません。
 「言って判らないから、叩いて教える」これは、子どものしつけで体罰を使う時、また、カップル間でパートナーへ暴力・暴言が使われる時の理由です。私たちの最も身近な人権侵害の事例です。ここには強者の立場しかなく、叩かれる側の痛み、屈辱などは無視されています。虐待から戦争までの人権侵害に共通しているのは、自分と違うものは絶対許さない、自分だけが正しい、弱者は強者に従っていれば良いという愚かな考えです。
 
 理想だけでは平和な社会はできない、攻撃を受けたらどうするのか、甘い考えだと言われますが、私はチカラによる平和は真の平和ではないと思います。
 憲法を守って日本の平和外交を行うのか、憲法を変えてチカラによる平和をつくっていくのか、しっかりと議論し、その上で日本の進むべき道を決めるべきです。知らず知らずのうちに方向が決められないように注目し、一人一人が考え、アクションを起こしていきましょう。


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